3Dプリンターで動脈 佐賀大など開発 患者の皮膚使用

 ■人工透析に4年後実用化


 データをもとに立体造形物を複製できる3D(3次元)プリンターを活用し、患者本人の皮膚などから動脈を作製する技術を、佐賀大学と東京のバイオベンチャー企業が共同で開発したことが5日、分かった。3Dプリンターでの血管作製技術の確立は国内初。作製した動脈は、人工透析や心臓の冠動脈バイパス手術の移植などに使用するといい、佐賀大医学部で動物への移植実験が進んでいる。臨床試験(治験)などを経て、平成30年の実用化を目指す。

【図で見る】佐賀大学などが開発した3Dプリンター活用の新技術

 佐賀大大学院工学系研究科の中山功一教授(先端融合工学)と、パナソニックで携帯電話などを開発していた口石幸治氏が22年に設立したバイオベンチャー企業「サイフューズ」(東京)が共同で開発。基本特許は各国に出願済みで、すでに日本、米国、中国、シンガポールで権利を取得した。


 腎臓機能が低下する「慢性腎不全」となった患者は血液を透析機に送り、体外で血中の老廃物や毒素などを除く人工透析治療が必要だが、大量の血液を透析機に供給するため、樹脂製の人工血管を移植することが多い。ただ、樹脂製の人工血管は、体内で菌の感染を拡大させる恐れがあるのが課題だった。患者本人の細胞からできた人工血管は自己免疫が働きやすく、抗感染性に優れるとされる。


 研究チームは、患者本人の皮膚細胞などを材料に、3Dプリンターで血管を作製する研究に着手。血管の立体組織を形状を崩さずに再現するため、金属製の針(太さ約0・1ミリ、長さ約10ミリ)を生け花の剣山のように無数に並べた装置を考案。3Dプリンターに内蔵した。


 この3Dプリンターで10日程度で、無数の針を包むように筒状の直径2〜3ミリの動脈の作製に成功。針の形状や大きさを調整することで血管を太くしたり、長くしたりすることができたという。


 サイフューズによると、まず30万人以上といわれる国内の人工透析患者のために実用化する予定で、将来的には心臓の冠動脈バイパス手術時の移植用途にも拡大するという。同様の技術は米国企業がすでに開発しているが、臨床試験はまだ始まっていない。


 サイフューズは「臨床試験で追いつき、実用化では日本が先行できる可能性が高い」と説明している。

【オーストラリア】「日豪EPAの早期締結を」:中田義文・シドニー商工会会頭に聞く

 アボット政権の誕生や、大手自動車工場の生産撤退発表など、昨年も大きなニュースが相次いだオーストラリア。今後日系企業はどんな方向に進んでいくのか。中田義文・シドニー商工会会頭に、昨年のオーストラリア経済や日系企業、そして今後の展望などについて聞いた。【聞き手・小坂恵敬】

 ――去年(2013年)のオーストラリア経済を振り返って、どんな印象を持ちましたか?

 2012年の下期ぐらいから徐々に、オーストラリア経済全体がスローダウンしているようです。ただ、年始に思ったよりは悪くはなっておらず、引き続きオーストラリア経済は、緩やかな下降局面にあるけれど底堅いという印象です。

 ――オーストラリアは2速経済といわれます

 その2速経済の中で、資源産業がオーストラリア経済を引っ張りましたが、労働党政権下で労組の影響力が強くなったことも重なり労働コストの上昇を招きました。さらに豪ドル高も組み合わさったことで、国際競争に晒されている製造業や観光業などが苦労しています。今後は、全体的にはある意味で正常な状態、つまり2速経済ではない、バランスのとれた状態になっていくのかなと思います。

 ――労働コスト高と豪ドル高はどうなるでしょうか

 労働コスト高は変わってもらわないと困るのですが、為替のように市場メカニズムでどうにかなるものではないです。この国での労働者の位置づけは歴史的なもので、労働党だから、労組だからということではなく、一般国民が 日本とは違う形で労働者のステータスを認めています。労働者にとって恵まれた国ですね。これは社会・経済が行き詰まらない限り、そう簡単には変わらないと思います。

 この状態を改善しないと行き詰まるということは、皆が声を大にして、政治家も言うし、我々も言うし、企業経営者も言っています。ただ、いざ実行するとなると ハードルが高く、厳しいものがあります。最後の砦というか、最後の一線ということでしょう。

 豊かな自然と資源、少ない人口が労働者に優しい社会を支えてくれているということでしょう。資源の種類が限定的だとリスクがありますが、オーストラリアには数多くの資源があります。また広大な大地、温暖な気候に支えられた農業ももっと伸びる余地があるでしょう。

 豪ドル高については景気の下降あるいは金融政策などによって徐々に解消されていくと思います。但し、為替は相対的なものなので、例えばアメリカが米ドルを刷り続ければなかなか(対米ドルでの)豪ドル安にはならないですね。

 ――政権が変わりましたが、一番の変化は?

 オーストラリアにとって良くなかったのは、前政権では下院が安定しないハングパーラメントだったことです。どちらの党が政権に就いたかよりも、ハングパーラメントを脱したことが一番の大きな変化です。

 労働党も保守連合(自由党・国民党)も、実は中心線を挟んだ左右にいるというだけで、政策面、特に経済政策ではそれほど大きく違いません。ハングパーラメントの問題は、外れた人たちの極端な声が政策に反映されることでした。

 ――アボット政権についてはどうでしょうか

 ビジネスをやっているものとしては、保守連合は経済成長に軸足を置いた、競争力を回復させる政策を掲げており、税制改革や、炭素税、資源税の廃止などの実行を期待しています。ただ、労働面では極端なことはせず、ステップ・バイ・ステップでやっていくでしょう。

 それと環境政策ですが、資源関係ではプロジェクトの許認可が前政権下では大変で難しい面がありましたが、そういった面での規制緩和を進めてくれることを期待しています。いずれにせよ、アボット政権下で日系企業にとってビジネス環境が良くなることを期待しています。

 

 ――前政権は資源ブームの終焉を宣言しました

 ブームをピークと言い換えれば、確かに2〜3年前がそうで、あの頃はほとんどの鉱産物が良かったです。資源産業にとっては中国や他の新興国の需要が一気に伸び、そのおかげで市況も上がって、供給が追いつかないということでプロジェクトの拡張投資が続きました。

 足元では品種ごとの違いが出てきています。例えば石炭は、需要面では中国の需要は堅調ですが、他の主要新興国のインドやブラジルなどの需要は停滞気味です。供給面ではシェールガスブームに伴い石炭が余剰になったアメリカからの石炭輸出が増加し、さらにオーストラリアの供給能力も大きく増加しました。需給双方の要因が重なって、世界的な供給過剰に陥り、市況が低迷しています。現在オーストラリアの石炭業界は厳しいリストラに取り組んでいます。

 ――アボット政権の景気浮揚策、特にインフラ政策についてどう思いますか

 オーストラリアは出生率も高く、移民も増えて人口が増えていく見込みです。見たところそんなに効率よく住宅が増えているとは思えないので、住宅やインフラが足りなくなることが予想されます。そこに投資することは間違っていないでしょう。今は金利が低いということで住宅購入が増え、価格が上がり、それなら住宅を作らなければという流れになっています。

 ――日本企業にとってはどんな影響があるでしょうか

 オーストラリアの内需をターゲットにしている日本企業にとってはビジネスチャンスになると思います。かつて日豪のビジネス関係は資源が重要でしたが、近年の課題は資源以外のビジネス機会の構築でした。その重要なターゲットにインフラ事業が位置づけられ、日豪間で具体的な検討も行われてきましたが、今後は実際のビジネス事例が増えていくでしょう。近年住宅関連の日系企業が進出されているのもそういった需要を見込んでのことだと思います。これからもまた進出する企業も増えてくるでしょう。

 ――コスト高という側面もあります

 確かに、駐在員を置く企業にとっては、オーストラリアのコスト高は頭が痛いです。住宅価格の上昇に加え、遠隔地勤務手当(LAFHA)の非課税措置が撤廃されたこともあり、駐在員コストが高くなりました。そのためオーストラリアでビジネスを展開しても、駐在員はミニマムにしていくのではないでしょうか。収益が下がれば、さらに駐在員を減らして、現地採用を増やすという動きは当然出てくるでしょう。

 ――日豪間のEPA(経済連携協定)が話題になっています

 日豪両政府ともに前向きな発言をしていますので、EPAが早期に締結されることを大いに期待しています。

 EPA締結は総論では間違いなく良い話ですが、業界間、あるいは同じ業界の中でも利害が反することがあるかもしれません。それを政府が大きな視点から、トータルでプラスがあると判断してまとめてほしいと思います。

 日本からオーストラリアへの投資は間違いなく増えていくと思います。日本は人口が減り、マーケットが縮小しています。すでに海外移転を進めている製造業に続いて、これまで日本の内需を中心にしていたサービス産業なども海外に出て行くと思います。そうした中で、オーストラリアは豊かで購買力があり、カントリーリスクも少ないことから、当地に進出する企業が増えるでしょうね。その動きを促進、支援する意味でもEPAの早期締結は必要だと思います。

 ――商工会議所として、日豪EPAでの要望は?

 日豪EPAの早期締結を強く期待していますが、EPAの具体的な内容については各業界、各社によって利害が相反することもあるので、商工会議所として個別具体的な要望を日豪両政府に出すといったことはできません。商工会議所の目的は、あくまで共通の利益の増進なので。

 商工会議所としてやるべきことは、もの申す機会を作るということです。大使館・総領事館経由でオーストラリア政府に会員企業の要望を伝えることがあります。また大使館・総領事館のアレンジで商工会議所から直接大臣などに意見を伝える場を設けて頂くこともあります。もちろん、いろんな企業がいるのでワンボイスとしてはやはり言えません。 要望の軽重を多数決で決めるわけにもいきませんので。

 ――ところで、オーストラリアにとって中国の重要度が増しているようです

 極端にいえば、かつてオーストラリアの資源を買っていたのは日本だけでした。今は中国、インドなどがあり、オーストラリアとしてはその分売り先が増えて、日本の重要度が相対的に低下しているのは否定できません。ただ、オーストラリアもすべて中国に依存していいとは思っていないので、上手く天秤にかけて、買い手間の競争原理を働かせていると思います。

 ――オーストラリアは資源事業で、中国よりも日本と組みたいと思っているでしょうか?

 日本企業を好むでしょう。日本企業とは長年にわたりジョイントベンチャーで上手くやってきましたから。多くのジョイントベンチャーにおいて、日本企業はマイナー権益でも積極的に参画しています。オーストラリアの会社がメジャー、日本企業がマイナーという形で参画することで事業がより安定し、全体としてプラスになれば良いという考えだと思います。

 

 一方、あくまでも個人的な意見ですが、中国企業はマイナー割合の出資には満足しないように思われます。マイナーでは意味がない、自分がコントロールしない限り不安だと。10%では駄目、51%でも不安、100%で完全に自分のものにしないと安心できない。そういう意味では価値観の違いがあると思います。また中国企業は国営企業が多いですし、契約概念もちょっと違いますし。

 ――来年の商工会議所はどんな活動を予定されていますか

 基本的には従来の活動を地道に続けていきます。シドニーには専従の事務局があり会員数も多いので、会員の皆様のプラスになる各種セミナー、企業・工場視察など、6つの業種ごとに開催する部会活動を数多く実施したいと考えています。また商工会議所が発行している「オーストラリア概要」も結構すぐれものですが、こちらの編集・発行も行います。さらにシドニー日本人学校へ講師を派遣するといった社会貢献活動も行っています。こういった地道な活動に加え、アボット政権などへの要望も機会をとらえて行っていきたいと思います。

 それから、日豪間の友好親善も商工会議所の重要な目的なので、日本人会や日本クラブなどの日系団体と一緒に取り組んでいきたいと思います。

 特に来年はカウラ事件(※)の70周年にあたり、8月上旬には記念行事が行われる予定ですので、日系団体、大使館、領事館、カウラの地元のコミュニティーなどと共に、記念行事を盛り上げて行きたいと思います。(了)(インタビューは昨年末に実施)

 (※第二次世界大戦中の1944年8月5日、ニューサウスウェールズ州のカウラにあった捕虜収容所で起きた日本兵捕虜の脱走事件。オーストラリア人4人と日本人231人の計235人が死亡した)

Google、スパムSEOのRap Geniusへの制裁を解除―ツールを開発して17万以上のURLを削除して謝罪

Googleはスパムを処罰するより一般ユーザーの利便性を優先することにしたようだ。SEOスパム行為があったとして検索ランキングを大幅にダウンされていた歌詞等の注釈共有サイト、Rap Geniusが10日ぶりに以前の位置に返り咲いた。


このまま続けばRap Geniusにとって「死の宣告」になりかねない制裁だったが、意外に早く解除されたのは不当なリンクをすべて削除するなど真剣な反省の態度が認められたものだろう。今日(米国時間185)、RapG eniusは、どういうスパム行為をしたのか、またスパムリンクをどのようにして一掃してGoogleから制裁解除を取り付けたのかについて詳しく公表した。


問題はRap Geniusが始めたブログ・アフィリエイトというプログラムだった。これはブロガーがRap Geniusの注釈投稿へのURLを多数含む記事を公開すれば、見返りにその記事のURLをRap GeniusがTwitterなどのソーシャルメディアに投稿してプロモーションするというものだった。たとえばRap Geniusはメール・フィルタリング・サービスのファウンダーのMarbachにJustin Bieberの新曲に関する注釈投稿のURLを末尾に多数埋め込んだ記事を公開するよう依頼した。


しかしGoogleは「記事内容と無関係に検索アルゴリズムに影響を与える目的でリンクを操作する」ことを検索スパムとして厳禁している。Marbachがブログ記事で公表したRap Geniusのブログ・アフィリエイト・プログラムはまさにこれだった。


Rap Geniusはただちに謝罪したが、Googleは 検索ランキングを劇的に下げる制裁を発動した。それまで常に検索順位のトップ近くを占めていた注釈投稿や歌詞の検索結果は5ページ目から6ページ目に転落し、た。制裁はクリスマスを直撃し、Rap Geniusのトラフィックには壊滅的打撃を与えた。Quantcastよると、それまで毎日70万前後だったユニーク訪問者が制裁によって10万以下になったという。


このときRap GeniusはTechCrunchに「われわれはGoogleと協力して問題解決を図っている」と語ったが、その交渉は最後には成功したようだ。今日公開された長文のブログ記事でRap Geniusは詳しく事情を説明している。


その記事によると、共同ファウンダーのMahbod Moghadam、Tom Lehman、Ilan Zechoryは当初ブロガーにリンク入り記事を書いてもらうよう依頼することは問題ないと考えていたようだ。しかし「すぐにわれわれはやり過ぎをしたと気づいた。制裁を受けたのは当然だった。馬鹿をやったことについてGoogleとわれわれのファンにお詫びしたい」と述べている。460万人分のデータ流出を起こしても絶対に謝らないSnapchat流とは対照的な危機管理だ。


Googleは「Rap Geniusのサイトに対して不自然、人為的、欺瞞的なリンクが多数発見された」廉でその検索順位を手動で下げる制裁を課した。その解除のためにRap Geniusはスパムと認定されたリンクをすべて削除し、記事のソースにnofollow属性を付加しなければならなかった。 しかしブログ・アフィリエイトで収集したリンクは何十万にも上りウェブ中に散らばっていた。そこでRap Geniusは知り合いの優秀なウェブマスターに応援を求め、スパムリンクを発見して削除するスクレイパー・ツールを開発してもらった。そのリンクうちでRap Genius側で削除したりnofollow属性を付与したりできない分についてはリストにしてGoogleのDisavowツールに引き渡した。このツールはリンクが検索結果に影響を与えないようにすることができる。.


イェール大学で学んだくせにマーク・ザッカーバーグに「くたばれ」などと悪態をつく 連中がAndreessenから1500万ドルも集めた秘密がスパム問題の処理によく現れている。RapGeniusはNokogiri、Typhoeus、Herokuのツールと巧妙なコーディングによって急遽、きわめて効率的なスパム削除ツールの開発に成功し、15分間ですべてのURLを突き止めたという。そのコードのスニペットはブログで公開されているが、こうした対応RapGeniusが採用を狙っているギークな人材に好印象を与えるかもしれない。


結局、ツールが発見し、処理したスパムURLは17万7000に上った。そしてこれでGoogleを満足させることができたらしい。


とはいえ、Rap Geniusがシリコンバレー最強のベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitzの支援を受けていることも有利に働いたはずだ。なんのコネもない無名のスタートアップだったら、こう素早く許してはもらえなかったのではないかという声も出ている。


なにかまだ制裁の影響が残っているかどうか詳細には調べていないが、当面Rap Geniusのサイトは“Kanye West Blood On The Leaves Lyrics”などをキーワードに検索するとトップに表示されるようになった。.


結局Googleは一般ユーザーの利便を第一にしたのだろう。Rap GeniusのSEO戦術は遺憾なものだったが、ライバルに比べればはるかに良質なサイトだ。いつまでも制裁を続けるとユーザーは他の、もっと品質の劣るサイトに流れてしまう。AZlyricsやMetrolyricsなどのライバルのサイトは月額9.99ドルなどという法外な料金の着メロ広告が満載だ。さらに怪しげなSEOをしていることも疑われている。たとえば上のスクリーンショットはAZLyricsだが、ミュージック・プレイヤーのように見えるのは別のサイトにジャンプさせるための偽装ボタンだ。ご用心あれ。


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When Growth Hacking Goes Bad


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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)
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