東大カリスマ教授の「教育論+メディア論」

今、最もホットな分野のひとつである人工知能。人工知能とウェブに関する最先端の研究を進めるのが、松尾豊東京大学准教授だ。キュレーションサービスGunosy開発者も、松尾研究室出身。前回に引き続き、連載「キャリア相談」でおなじみの塩野誠氏との対談を通して、教育論・大学論・メディア論を語りつくす。※ 前編はこちら:東大カリスマ教授の「超ハック術」■ すべての教育はトレードオフ

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 塩野:指導している学生のクオリティは上がっていますか? 


 松尾:いや、そこがけっこう難しいところです。「教育はすごいトレードオフだなあ」と思います。こちらがやってあげるじゃないですか。そうすると、確かに業績は出る。でも本当に身に付いたかというと、実際はそうでないこともある。放っておくと、なかなか業績が出ないのですね。まあ、そうした中でいろいろ試行錯誤すると、パワーアップするわけですが。


 塩野:構うのと放置する、そのバランスが難しいですよね。


 松尾:教育は、ほとんどのアクションがその人にとってよい面と悪い面の両方があると思います。


 塩野:なるほど、すべてのアクションはトレードオフであると。それは会社の新人教育ともまったく一緒ですよね。どこの段階で放置して、ミスったら俺が責任取るからって言えるかという。毎回、責任を持ってしまうと、甘えてダレてしまう。難しいですよね。


 松尾:あと最近思うのは、どうやったら仕事の組み立て方を教えられるのかな、ということ。うちの研究室だと、エンジニア志向、理系の人が多いのですね。理系の人はどうしても問題を区切ってしまう。「自分が解くのはここで」ということが快適になっている。


 塩野:最初に定義付けしないと、はみ出てしまいますからね。


 松尾:その定義付けをするときに、それ以外の要素はどうなるのかを考えたうえでならいいのですよ。ところが、そこはあまり考えずに、「僕が解く問題はこれです」と言ってしまう。でも、「それって、そもそも大事なんだっけ? 」というふうに、後からちゃぶ台返しになってしまう。


 それから、やり方がわかりませんというのも多い。わからないというのは、そりゃ人類だいたい何でもわからないので(笑)。その中で、自分で調べるとか、人に聞くとか、いろいろあるわけですよね。その中の、どの選択肢を取るかっていうことだと思いますが、それがなかなか伝わらない。

次の技術革新・脳波センサー技術、普及への壁とは?参入企業も続々、医療分野で期待高まる

「口を動かさなくても、思ったことが通じる」


「手を触れずにスマートフォンが使える」


 そんなSFのような世界も、もはや遠い未来のことではない。それを実現するのは、昨今あらゆる企業で研究が続けられている「脳波センサー技術」だが、ここ最近、その研究はさらに熱を帯びている。


 目下、注目すべきは、どういった分野なのだろうか?


●世界中で研究が進む「脳波センサー」技術


 経済が動く時には、いつも大きな「技術革新」がある。


 近年でいえば「コンピューター」「インターネット」「携帯電話」、そして「スマートフォン」など。新たな技術が新たなマーケットを創出し、世の中は大きく動いていく。「スマートフォン」もすでに市場に普及し、世界的に見るとバブルは終わったといわれている。


 では、次の技術革新はなにか? その答えは恐らく、ウェアラブルデバイスとともにやってくる「脳波センサー技術」であろう。


 10月末、パシフィコ横浜にて「HUMAN SENSing 2013」という大規模な展示会が開催された。視覚、嗅覚など五感の拡張技術のデモが行われる展示会だったが、そこで突出して注目を集めていたのが「neurocam」という新アイテムだった。


 これはセンサーを搭載したヘッドセットとiPhoneを組み合わせたシンプルなウェアラブルデバイスで、脳波で動く「necomimi」など脳波や生体センサーを使ったアイテムを手がけるneurowearの新プロジェクト。額のセンサーで取得した脳波から、その人が興味を感じたかどうかを察知、興味を感じた場面をiPhoneのカメラで自動撮影するというもの。このデモには、世界中から「すごい技術だ」など多くの反響があった。


 こういった技術の研究開発は、なにもベンチャー企業だけのものではない。ほかにも、パナソニックヘルスケアが脳波計測による音量最適化を行う補聴器を販売予定、米トヨタが脳波でシフトチェンジできる自転車を開発中など大手企業の進出も多い。


●「脳波センサー技術」が一般向け商品に結びつかないわけ


 ただ、脳波センサー技術の研究がいかに進もうと、一般向けの商品として成功させることは、極めて難しいのが現状だ。その理由の一つとして「脳波計を装着するという心理的な壁」が挙げられる。写真のように、脳波センサーはたいてい、頭上にデバイスを着けるというスタイルを取る。

<次世代ロボット>開発企業を政府が支援 防災・減災に対応

 政府は、次世代ロボットの実用化を促進するため、開発企業に助成する新しい支援制度を導入する方針を固めた。国土交通省と経済産業省が近く合同で検討会を発足させ、ロボット技術を必要とする重点分野や支援対象となる企業の絞り込みを始める。東京電力福島第1原発事故や中央自動車道・笹子トンネルの崩落事故などを契機に防災・減災に対応する社会インフラ整備のニーズが急増している。現場での深刻な人手不足を解消するロボットへの期待が高まっており、官民一体で「ロボット大国」を目指す。


 ◇国交省と経産省が近く合同検討会


 国交省が想定しているのは、老朽化が進んでいる社会インフラを点検する「点検診断ロボット」や災害状況を迅速に把握する「調査ロボット」、実際の復旧に資する「施工ロボット」など。社会インフラを整備する現場では人手不足や高齢化も深刻化しており、同省幹部は「ロボットの活用は人手不足を解消する有効策になる」と指摘する。


 政府内に設置される検討会は「ロボット現場検証委員会」(事務局・国交省)と「ロボット開発評価委員会」(事務局・経産省)。現場検証委が公募で対象企業を選び、技術的な評価を進め、開発評価委がその中から助成の対象となる企業を絞り込む。


 今春に公募を始め、実際のインフラ整備の現場でロボットを活用。必要に応じて開発費の助成を行いながら、年末にその技術性能などを検証し、実用化につながるロボットには改良などの開発支援を行う。2013年度補正予算案と14年度政府予算案に、プロジェクト全体で計約25億円を計上した。15年度以降も公募をし直し、今後5年程度は同様の開発支援を続けたい考えだ。


 次世代ロボットを巡っては、昨年12月に米国防総省が主催した技術を競う大会で日本人研究者らのベンチャー企業が優勝。政府内には「支援制度を通じてベンチャーの発掘、育成にもつなげたい」(経産省幹部)との声も出ている。将来はインフラ整備の需要が高い途上国のほか、インフラの老朽化が進む先進国などへのロボット技術の輸出も目指す。【三沢耕平】
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