2012年夏。政府は、2030年の原発依存度について「0%」「15%」「20〜25%」の三つの選択肢を設け、国民の意見を聞いた。

 各地での意見聴取会や新手法の世論調査、ファクスやホームページへの入力で意見を伝える「パブリックコメント」(パブコメ)だ。

 パブコメは8万9124件を数えた。これまでのパブコメではふつう数百件。08年の学習指導要領問題が目立って多いが、それでも5679件だ。前例のない数だった。

 回答のうち、「0%」を選んだ人は87%に及んだ。

 脱原発をもとめる人ほど意見を寄せるだろうことは、事前に予想されていた。……
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