政府が今秋に打ち出す成長戦略第2弾の柱となる投資減税策の全容が29日、分かった。設備投資減税のほか、事業再編やベンチャー投資を促す税制、研究開発投資を増やした企業の法人税を減らす制度の創設などが柱だ。古い設備の更新を促す規制強化策の導入も検討する。減税や規制で企業の設備投資意欲を引き出すのが狙い。9月中に具体策をとりまとめる。


 自民、公明両党は29日、それぞれ税制調査会の会合を開き、各省庁からの税制改正案などをもとに、投資減税の具体化に向けた本格的な検討に入った。


 政府が投資減税の目玉に据えたのが設備投資減税。生産性の高い設備を導入した場合、設備投資額の一部を法人税から差し引く「税額控除」か、設備投資の減価償却費を初年度に一括経費計上して税負担を減らす「即時償却」を企業が選べるようにする。税額控除の控除率は大企業が3%、中小企業は7%を検討する。


 企業の競争力強化に向けて、不採算事業を切り出し、その事業を再編統合する際の税制を優遇する措置の導入も検討。ベンチャーファンドに出資した企業に対して法人税を減らす仕組みも設け、新規投資を促す。


 規制を強化することで、企業の投資を引き出す施策の導入も検討する。省エネや耐震性などの目標に対し、基準をクリアした企業には税制を優遇する一方で、適応しない場合は課税を強化する案などが有力となっている。


 研究開発投資の促進に向けては、過去3年間の平均を上回る部分の研究開発費の5%を法人税から差し引ける控除率を最大30%まで引き上げる方向で調整する。


 また両党は消費税率8%引き上げ時の低所得者対策として、現金を配る給付措置を具体化する協議に入ることで合意した。給付額や対象世帯は未定としている。