スタートアップコミュニティ「creww(クルー)」を運営するCrewwは9月30日、日本テレビ放送網(日本テレビ)を割当先とした第三者割当増資を実施したことを明らかにした。調達額は1億2070万円。


 crewwは、スタートアップ企業が必要とするサービスを提供したり、支援者をマッチングしたりするコミュニティ。現在700社以上が登録しており、登録ユーザーから必要な人材を検索する「リクエスト」、大手企業との協業を前提とした企画を実施する「コラボ」、スタートアップ企業向けの特典を付加してクラウドサービスやプレスリリース配信などの商品・サービスを提供する「マーケットプレイス」といった機能を展開している。


 今回の調達のきっかけとなったのは、前述のコラボだという。crewwでは、5月に日本テレビとスタートアップのコラボ企画を掲載。現在応募のあった複数のスタートアップとコラボが検討されているという。またこの企画の反響が大きかったため、「日本テレビとの協力によってスタートアップのエコシステムの形成を目指す」と考えて増資によるさらなる連携の強化を図った。


 Crewwでは、今回調達した資金をもとにcrewwのサービスを強化。マーケットプレイスを本格的に展開するほか、多言語による情報発信などを進める。


 最近ではフジ・メディア・ホールディングスが子会社のフジ・スタートアップ・ベンチャーズを、東京放送ホールディングスがTBSイノベーション・パートナーズ合同会社をそれぞれ設立するなど、放送局グループによるベンチャー投資が活発だ。


 今回の投資についても、一連の活動の“横並びにも見える。だが、日本テレビでは2012年11月に発表した中期経営計画「Next60」の中ですでに「2015年度までに総額500億円の投資枠設定」「スタートアップ企業支援等に向け戦略的投資『Investments Next60』実施」といった投資・新規事業開発施策について発表しており、その一環としての投資だとしている。