原発輸出ビジネス、安倍首相トップセールスの舞台裏と狙い〜安全保障で懸念材料も

 昨年10月24日、安倍晋三首相はテレビ朝日の番組で、小泉純一郎元首相が「原発ゼロ」を提唱していることについて、「小泉さんの政治的な勘もあるのだろうが、(火力発電所の燃料費の増加分が)1年間で4兆円近い。今の段階で原発ゼロを約束するのは無責任だ」と批判した。小泉元首相は、事あるごとに安倍首相に「即時原発ゼロ」の政治決断を迫っている。自民党の慎重論に抗し、持論の郵政民営化を実現させた自らの経験を引き合いに出して、「首相が決断すれば、原発ゼロ反対論者も黙る」と、政策転換の必要性を力説する。

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 安倍首相は10月に昨年2回目となるトルコ訪問を行い、原発受注で実質合意した。東京電力福島第一原発事故後、日本の原発輸出が初めて実現することになった。トルコの計画は黒海沿岸のシノップに原発4基を建設するもの。建設費だけでも250億ドル(約2兆5000億円)規模とされる。当初は韓国が有力だったが価格面で折り合わず撤退し、10年12月に東芝が優先交渉権を得た。


 しかし、翌年の東日本大震災で状況が一変する。東芝が提示した原発の型式が福島第一原発と同じ型であったためトルコ側が拒否、振り出しに戻った。韓国が再度名乗りを上げたほか、中国、カナダや三菱重工業=アレバ連合が参戦した。


 昨年5月に安倍首相がトルコを訪問。日仏の三菱重工=アレバが優先交渉権を獲得し、10月の2回目のトルコ訪問により原発受注で合意に達したのだ。安倍首相によるトップセールスが実ったもので、トルコ議会の承認を得て、正式に契約を結ぶ。2023年の運転開始を目指している。


 安倍首相が原発のトップセールスに熱心なのは、福島第一原発事故後、日本国内では新たな原発建設は絶望的になる一方で、世界的には原発は成長産業であるためだ。現在、建設中のものが68基、建設計画は162基にも及び、操業中の原発は316基ある。


 原発は1基当たり5000億円の一大事業だ。費用の半分が原子炉やタービン関連で、残り半分が建設関連。運転開始後は保守メンテナンスが長期にわたる収益源になる。原発は、廃炉までメンテナンスで収益を上げることができるビジネスなのである。


 現在、世界の原発メーカーは5陣営に絞られる。東芝=米ウェスチングハウス、日立製作所=米ゼネラル・エレクトリック(GE)、三菱重工=アレバに、ロシアの国営原発企業ロスアトム、韓国の電力会社連合だ。原発は建設から運転停止まで60年以上を要することから、参入障壁は高い。ベンチャー企業が簡単に参入できない仕組みになっているため、限られたメーカーが受注争奪戦を繰り広げることになる。

中国・万向美国が米フィスカー買収に意欲、債権者は公開入札求める

[31日 ロイター] -中国最大の自動車部品メーカーである万向美国公司が経営破たんした米エコカーベンチャーのフィスカー・オートモーティブの買収に意欲を示していることが、債権者が米破産裁判所に提出した書類で明らかになった。


フィスカーをめぐっては、香港の実業家である李沢楷氏が実質的に率いる米投資グループ、ハイブリッド・テクノロジーが同社の不良債権を買い取る形で買収合意している。


書類によると、フィスカーの債権者はハイブリッド・テクノロジーへの身売り合意を破棄し、公開入札を実施するよう求めている。


万向美国公司は入札で2472万5000ドルを提示し、フィスカーの一部債務を引き受ける意向を示しているという。


1月3日に審問を行い、ハイブリッド・テクノロジーへの身売りを進めるか、債権者の求める公開入札を行うか検討することになっている。


フィスカーの代理人で、法律事務所カークランド・アンド・エリスの弁護士であるジェームス・スプレイリージェン氏のコメントは今のところ得られていない。

大日本住友製薬 神戸で自社研究棟を検討

 大日本住友製薬(大阪市)は、神戸・ポートアイランド2期の医療産業都市に設ける再生医療や細胞医薬品の研究拠点について、自社施設の建設を視野に3〜5年先の拡充を検討していることを明らかにした。同社は神戸への投資を活発化させており、医療産業都市の企業集積の厚みが増しそうだ。


 同社は今年2月、理化学研究所(理研)の認定ベンチャー「ヘリオス」(東京)と合弁会社を設立し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を用いて目の病気を治療する医薬品の共同開発を神戸で始める。18〜19年の国内販売を目指す。


 この計画とは別に、大日本住友製薬は4月、再生・細胞医薬事業推進室の研究部門をポーアイに新設。研究者約20人が理研などと連携し、脊髄損傷や視神経の病気を再生医療によって治療する研究を進める。


 神戸の研究施設は「神戸バイオメディカル創造センター」など4カ所の賃貸ビルに分散。広さも計約1千平方メートルのため、将来的に手狭になることが予想され、自社専用施設の建設を視野に入れる。


 研究施設の拡充について、同社再生・細胞医薬事業推進室の木村徹室長(53)は、米国で開発している脳梗塞の細胞医薬品か、ヘリオスと共同開発する新薬の販売承認にめどが付く16〜18年ごろに決める見通しという。木村室長は「薬の輸送や細胞の培養に使うクリーンルームの運営など、神戸に集まるさまざまな企業と協力し医薬品の製造方法の開発を進めたい」と話している。(高見雄樹)
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