■産業支援
安倍晋三政権が掲げる「成長による富の創出」のカギとなる産業関連予算は、低迷が続く製造業の復活と、医療や介護、文化など成長産業の育成が柱だ。製造業復活に向けては、革新的な部品や素材の研究・開発支援に119億円を新規で計上した。航空機の部品などに使われる軽量のチタン合金や炭素繊維複合材料の強度向上のほか、バイオマスからプラスチック素材を製造する技術の開発を促し、産業競争力の中核となる技術の確立を目指す。
ものづくりを支える中小企業対策予算(復旧・復興関連を除く)は、2012年度当初予算からほぼ横ばいの1811億円とした。資金繰り支援に加え、製造コストの削減につながる鋳造や切削加工など生産技術の高度化の研究費用などを盛り込んだ。
一方、成長が期待される医療・健康産業の育成は12年度当初予算から61.8%増の167億円を計上、大幅に増額した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究・開発で注目を集める再生医療分野では、人工皮膚などの製品数を増やすため10億円を新たに盛り込んだ。
ベンチャー企業や事業再生に資金供給する官民ファンドも12年度補正予算案に続き拡充。半導体大手ルネサスエレクトロニクスなどに出資する産業革新機構には産業投資特別会計から100億円を追加出資して財務基盤を強化し、民間投資の呼び水としたい考えだ。
■原発・エネルギー
東電福島第1原発事故後、原発の稼働停止に伴う電力需給対策として再生可能エネルギーの普及や資源・エネルギー輸入増大への対応への重点配分が目立った。また福島第1原発の廃炉作業の加速化に向け、原発技術の維持のための予算も増えた。
再生可能エネルギーの予算は2012年度当初比ほぼ倍増の467億円。風力発電の導入促進を図るため、潜在的な発電能力が高い北海道の一部を重点整備地区と定め、民間企業による送電網の整備支援として新たに250億円を充てた。地熱発電を普及させる技術開発の支援事業も9億円で新設された。
原発の稼働停止で、代替電源である火力発電所の稼働増で需要が高まっている石油や天然ガスの安定確保に向けた予算は、39.0%増の733億円。日本企業による海外での石油・天然ガスの権益獲得を支援するための予算は68.2%増の465億円を盛り込んだ。
日本の周辺海域で石油・天然ガスの埋蔵量などをボーリング調査する費用は16.0%増の170億円を計上。日本近海の海底にあるレアメタルの調査事業は、39.2%増の36億円とした。
原発関連では、福島第1原発の廃炉作業などを前進させるための予算に厚く配分。原子炉内部での作業を行う遠隔操作ロボットなどの技術開発に41億円を確保。12年度の復興特会と比べると約8倍と大幅に増えた。
■防災・公共事業
公共事業費は、高度経済成長期に集中的に造られたインフラの老朽化対策のほか、首都直下地震や南海トラフ巨大地震への防災力強化に重点的に配分した。2012年度当初比15.6%増の5兆2853億円を計上、4年ぶりの増額となった。
自公政権が掲げる「国土強靭(きょうじん)化」や「防災・減災ニューディール」を推進し、地方経済の活性化につなげる考えだ。
中央自動車道笹子トンネル事故(山梨県)で問題となったインフラの老朽化対策では、点検や補修の費用として国が管理する道路に2515億円、水門、堤防などの河川関連に1358億円を計上した。
財政事情が苦しい地方自治体への支援も手厚くし、「防災・安全交付金」として1兆460億円を盛り込んだ。
地震対策では、利用者が多いデパートや病院、学校といった大型施設や、緊急輸送道路沿いのオフィスビルを所有者が耐震診断や改修工事をする場合の費用支援として100億円を確保。東日本大震災で課題となった大都市の鉄道駅周辺での帰宅困難者対策として、国や自治体、鉄道事業者が連携して食糧を備蓄したり、避難施設を整備したりする費用に4億円を計上した。
このほか、物流ネットワークを拡充するため、大都市圏の環状道路をはじめとする道路整備に3539億円を盛り込んだ。
安倍晋三政権が掲げる「成長による富の創出」のカギとなる産業関連予算は、低迷が続く製造業の復活と、医療や介護、文化など成長産業の育成が柱だ。製造業復活に向けては、革新的な部品や素材の研究・開発支援に119億円を新規で計上した。航空機の部品などに使われる軽量のチタン合金や炭素繊維複合材料の強度向上のほか、バイオマスからプラスチック素材を製造する技術の開発を促し、産業競争力の中核となる技術の確立を目指す。
ものづくりを支える中小企業対策予算(復旧・復興関連を除く)は、2012年度当初予算からほぼ横ばいの1811億円とした。資金繰り支援に加え、製造コストの削減につながる鋳造や切削加工など生産技術の高度化の研究費用などを盛り込んだ。
一方、成長が期待される医療・健康産業の育成は12年度当初予算から61.8%増の167億円を計上、大幅に増額した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究・開発で注目を集める再生医療分野では、人工皮膚などの製品数を増やすため10億円を新たに盛り込んだ。
ベンチャー企業や事業再生に資金供給する官民ファンドも12年度補正予算案に続き拡充。半導体大手ルネサスエレクトロニクスなどに出資する産業革新機構には産業投資特別会計から100億円を追加出資して財務基盤を強化し、民間投資の呼び水としたい考えだ。
■原発・エネルギー
東電福島第1原発事故後、原発の稼働停止に伴う電力需給対策として再生可能エネルギーの普及や資源・エネルギー輸入増大への対応への重点配分が目立った。また福島第1原発の廃炉作業の加速化に向け、原発技術の維持のための予算も増えた。
再生可能エネルギーの予算は2012年度当初比ほぼ倍増の467億円。風力発電の導入促進を図るため、潜在的な発電能力が高い北海道の一部を重点整備地区と定め、民間企業による送電網の整備支援として新たに250億円を充てた。地熱発電を普及させる技術開発の支援事業も9億円で新設された。
原発の稼働停止で、代替電源である火力発電所の稼働増で需要が高まっている石油や天然ガスの安定確保に向けた予算は、39.0%増の733億円。日本企業による海外での石油・天然ガスの権益獲得を支援するための予算は68.2%増の465億円を盛り込んだ。
日本の周辺海域で石油・天然ガスの埋蔵量などをボーリング調査する費用は16.0%増の170億円を計上。日本近海の海底にあるレアメタルの調査事業は、39.2%増の36億円とした。
原発関連では、福島第1原発の廃炉作業などを前進させるための予算に厚く配分。原子炉内部での作業を行う遠隔操作ロボットなどの技術開発に41億円を確保。12年度の復興特会と比べると約8倍と大幅に増えた。
■防災・公共事業
公共事業費は、高度経済成長期に集中的に造られたインフラの老朽化対策のほか、首都直下地震や南海トラフ巨大地震への防災力強化に重点的に配分した。2012年度当初比15.6%増の5兆2853億円を計上、4年ぶりの増額となった。
自公政権が掲げる「国土強靭(きょうじん)化」や「防災・減災ニューディール」を推進し、地方経済の活性化につなげる考えだ。
中央自動車道笹子トンネル事故(山梨県)で問題となったインフラの老朽化対策では、点検や補修の費用として国が管理する道路に2515億円、水門、堤防などの河川関連に1358億円を計上した。
財政事情が苦しい地方自治体への支援も手厚くし、「防災・安全交付金」として1兆460億円を盛り込んだ。
地震対策では、利用者が多いデパートや病院、学校といった大型施設や、緊急輸送道路沿いのオフィスビルを所有者が耐震診断や改修工事をする場合の費用支援として100億円を確保。東日本大震災で課題となった大都市の鉄道駅周辺での帰宅困難者対策として、国や自治体、鉄道事業者が連携して食糧を備蓄したり、避難施設を整備したりする費用に4億円を計上した。
このほか、物流ネットワークを拡充するため、大都市圏の環状道路をはじめとする道路整備に3539億円を盛り込んだ。