SNSやネットの普及によって、製品やサービス利用者の声はかつてないほど絶大な影響力を持つようになった。企業にとって、顧客のクレームや意見、ニーズを吸い上げるカスタマーサービスデスクの重要度は増している。

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 こうした中、注目を浴びているのが、2007年にデンマークで創業したゼンデスク(Zendesk、09年にサンフランシスコに移転)だ。ゼンデスクは、企業の自社サイトやメール、SNS、電話などで寄せられた顧客からの質問や声をクラウド上で一元管理するソフトを開発。それに対応もする顧客サービス請負業務を展開している。


 月額20ドルから、という値頃感も受けて、中小企業を中心に利用が広がっており、顧客数は全世界で3万にまで拡大。昨年9月には複数のベンチャーキャピタルから総額6000万ドルを調達するなど、米シリコンバレーでも成長企業の一つと見られている。


 日本では昨年5月に日本語サービスを始めたほか、今年3月に現地法人を設立したばかりと、本格展開はこれから。ゼンデスクの強みや日本での事業展開について、共同創業者のミッケル・スヴェーンCEO(写真)に聞いた。


■ ゼンデスクは「禅」デスク!? 


 ――ゼンデスク(Zendesk)とはユニークな社名です。由来は。


 社名の由来はいくつかのバージョンがあって(笑)、まず、皆さんに親近感を持っていただけるような「ヘルプデスク」「サービスデスク」のようなものが念頭にありました。それ以外に、きれいに整った机で、心落ち着いた状態で仕事ができるようになる、という意味も込めて「禅」という言葉を使いました。


 ――設立5年半で顧客数は約3万ということですが、このサービスにおけるゼンデスクの強みは何でしょうか。 まずは優れた商品を提供できたことでしょう。もとより、企業にとってカスタマーサービスは重要でしたが、私たちの製品によって、企業がその顧客とより関係を構築しやすくできるようにしたことが大きいと思います。ただ、それ以上に市場のトレンドが私たちの成長を後押ししてくれた。


 一つはクラウド化の加速。もう一つは(必要な機能を必要な分だけ使って、それに対する対価を払う)「SaaS(サース)」のような新たな価格モデルができたことです。


 そして、もっとも大きな追い風となっているのは、どの業界においても顧客の意見、「声」というのがかつてないほど重要になっていることです。今日ほどわれわれ消費者が力を持つ時代はこれまでなかった。私たちの意見は同僚や友達だけでなく、ネットやSNSを通じて多くの人々に影響を与えられるようになっています。企業側もそれに気づいて、こうした動きに対応するツールを求めているのです。


■ 売り上げは毎年、倍々ペースで拡大


 ――ユニークなサービスですが、競合にはどういった企業あるのでしょうか。


 従来、カスタマーサービスに使われていた製品は、複雑で重たく、非常に高価格だった。これに対してわれわれは、使い勝手がよい、低価格のツールを提供したことで、インフラや資金、もしくは人的資源が足りずにこうしたカスタマーサービスを提供できなかったところにも、提供できるようになりました。これによって市場は2倍に拡大したわけです。競合他社は存在していますが、私たちは顧客企業をより重視しており、あまりライバルには注意を払っていません。


 ネット経由でサービスを提供しているので、顧客へのリーチは非常に容易です。顧客企業数3万件と聞くと非常に大きく思われるかもしれませんが、ポテンシャルで言えば何百万件は開拓できると考えています。現在、売上高は毎年100%、つまり倍増ペースで膨らんでいます。米国事業はこの半分程度で、残りは海外です。