【新・関西笑談】グリーンロードモータース社長・小間裕康さん


 ■京都らしい独創的な発想を 大阪から世界に売り込みたい。


 −−4月、JR大阪駅北側の複合ビル群「グランフロント大阪」にショールームを開設されました


 小間 会社の立ち上げから販売まで3年かかりました。ものづくりは部品さえ組み合わせればできるといわれていたけど、実際にできたのはゴルフカートのような低水準のスポーツカーでした。そこから仕様や安全性への考え方、面白い走りを追求するなど試行錯誤を繰り返し、ようやく完成したのが、EV(電気自動車)スポーツカー「トミーカイラZZ」です。


 −−ベースはガソリン車のスポーツカーとして、かつて販売していた「トミーカイラZZ」ですね


 小間 トミーカイラZZは、平成9年に京都のある会社がガソリン車として販売していました。デザインや運動性能がすぐれていたのですが、法規制の強化などの影響で約2年で生産中止に追い込まれた“幻の名車”です。ちょうど私たちの会社が募集していた技術者の1人に、この会社の元社員がいたことがトミーカイラZZを知ったきっかけでした。構想を持って元社長に掛け合うと、「ぜひEVで復活させてほしい」と言われました。


 −−京都発のベンチャーとして、当初は大阪に拠点を置くことに抵抗があったようですね


 小間 京都で育ててもらった会社なのに、大阪に出ていくことは裏切ることになるのではないかと思いました。しかし、京都商工会議所の方に「どこにいようと、京都らしい独創的な発想だと思わせれば京都のものづくりだ」と背中を押されました。京都文化を大切にするというのは、独創的な発想を大事にすることだと教えられ、感銘を受けました。


 −−京都は排他的なイメージで語られることがあります。ベンチャーをやるうえで、どのように感じましたか


 小間 私は神戸出身ですし、京都企業の経営者で京都出身という人は意外に少ないんです。ベンチャーの育成機関も多い。私は京都には“3つの顔”があると思っています。「環境都市の京都」「テクノロジーの京都」「スポーツカーの京都」です。京都には高い技術力を有する部品メーカーが多く、京都で創業した「童夢」という名前のレーシングカーメーカーがあります。


 −−EVスポーツカーメーカーが生まれるのにふさわしい土地ですね


 小間 京都で創業したのは偶然かもしれませんが、京都だからこそ実現できたのだと思います。一方でショールームを置いた大阪は、ビジネスのネットワークが豊富で、この土地の発信力を感じています。実際、グランフロント内の会員制オフィス「ナレッジサロン」に入会し、多くの会社との交流が生まれています。大阪のショールームからEVスポーツカーを世界に売り込み、商売の大阪を実現させたいです。


 −−今後の目標について


 小間 私たちの車はEVのプラットホームのうえにボディー部分をかぶせる手法を取っています。だから、いろんなデザインの車を楽しむことができ、このプラットホームには海外から多くの引き合いが来ています。この手法なら、1台からでもEVに参入ができます。私は自身が挑戦の場を与えてきてもらったことから、人材派遣では挑戦できる環境を提供したいと思ってやってきました。EVスポーツカーでも、いろんな会社がEVに挑戦できる環境を与えることができればと思っています。(聞き手 中山玲子)