保険大手グループのNKSJホールディングスは、社内ベンチャー制度を創設して2014年度にも新規事業に乗り出す方針を明らかにした。社員から事業化アイデアを募集し、専門部署が資金面や必要な人員手配などで支援する。


 成長産業と期待される医療・介護や防災などのリスク管理分野は、保険事業と親和性が高いことから、次世代の大型事業への育成を狙う。


 「ニュービジネスチャレンジ制度」との名称で9月までの約2カ月半、約5万人のグループ社員を対象に事業案を公募。


 集まった525案から、事業化の可能性や成長性の観点から10案に絞り、経営幹部による具体的な事業化プランの協議に入った。


 10案には「保険関連事業や高齢者向け事業」(同社)が含まれている。10月に持ち株会社のもとに専門部署の新規事業開発部を設立。事業化後は応募者がプロジェクトリーダーとなる。個別にアイデアを審査したうえで、選ばれた事業案は、法人を新たに設立してスタートさせる方針だ。


 損害保険事業を主力とするNKSJは、傘下に生命保険事業やヘルスケア事業など多彩な事業会社を抱える。新規事業は「グループ内にない事業モデル」を条件としており、収益への貢献だけでなく、起業家精神の高い社員の発掘、育成も目的としている。


 制度の狙いについて、桜田謙悟社長は「保険グループがサービス産業としての質を高めるには、既存事業を手堅く進めるだけでは不十分。新規事業の立ち上げでグループにベンチャー精神を根づかせ、新たな成長事業を迅速に取り込む狙いもある」と話している。


 社内ベンチャー制度は大手企業ではリクルートが有名で、社内ベンチャー発の新規事業が同社の成長を支えてきた。製造業でもパナソニックや富士通などが採り入れた例があるが、保険業界では異例とみられる。